親に預金の総額を調べてもらいたいときにすることまとめ

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円滑な相続のためには、ほかの記事でも繰り返しお伝えしている通り、「資産額の把握」が大切。そのためには、親に「預金の総額を調べてもらう」ことが必要です。ただ、「相続の時のために、いくら預金を有しているか教えて」と言っても、親を怒らせてしまうでしょう。ちょっとした工夫のポイントをまとめましょう。

1、銀行口座の統一化

親が亡くなったあと、相続で「揉める」のは分割協議がひと段落したあとに「新たな財産が発見される」こと。それを避けるために、親が元気なうちに銀行口座の統一化を一緒に進めましょう。

相続が実際に発生したとき、親に不動産や証券の所有があると、それらの値段(評価額)を算出するのは預金より何倍も煩雑です。なかにはその時に預金額の把握が既に完了していると、その分労力を不動産などに集中することができます。

親へは、銀行口座を統一化すると日々の預金管理がしやすいことを目的と伝えましょう。ただ、普段から話が出来ている親子関係であれば、相続の際に複数口座の存在がネックになることを伝えても問題ないものです。

2、「ペイオフ」に注意

ただ、前項のように一か所の金融機関に預金を集中させる場合は、「ペイオフ」に気をつける必要があります。ペイオフとは、預金保険制度(原則、すべての金融機関が加入する預金者保護制度)に加入している金融機関が万が一破綻した場合、「1金融機関1預金者あたりの元本1,000万円とその利息等が保護の『上限』となる」制度です。

金融機関の破綻する可能性はとても低いため、ペイオフ自体に気をつけるというよりも、ペイオフ制度を親に伝えずして口座の一元化を勧め、不評を買わないことに注意すべきでしょう。特に金融畑出身など、親が関係するお仕事をしている場合は注意が必要です。財産の円滑な以上は、制度よりもまず「信頼関係」にあることを認識することですね。

参考:三菱UFJ信託銀行「ペイオフって何?」 http://www.tr.mufg.jp/life/payoff.html

3、今後入ってくるお金を把握してもらう

相続のときに「現預金」となるものは、現時点での預金だけとは限りません。

生命保険(終身保険や養老保険など)の満期保険金
生命保険(終身保険など)の解約返戻金
退職金や勤務先からの慰労金

これらのお金は、入ってくる額を親子で把握することで、スムーズな相続財産の管理に直結します。予め親子間で金額を把握しておくことが望ましいですが、なかなか金額の確定値がわからないのもこれらのお金の特徴です。「だいたいどれくらい」で把握するだけでも、相続の際に役に立つことでしょう。

これらのお金の管理は、副次的にあるリスクを防止します。
生命保険の満期保険金や退職金などのまとまったお金が入ってくると、「投資信託を購入しませんか」や「退職金を使って終身保険に入りませんか」など、さまざまな営業が入ってきます。判断力の低下した年配の方などは、現金を所有しているリスクを説かれると傾いてしまうことも。確かにこれらの資産活用は、長い目で見たときにメリットとなる部分もあります。親子でタッグを組んで、対応するようにしましょう。

最近はここに「贈与で相続税を軽減しませんか」という(悪意のある)親族からの声も加わってきているよう。注意が必要です。親子間で預金総額を把握することは、円滑な相続のみならず、思わぬ被害から財産を守る「術」でもあるといえます。

工藤 崇 FP事務所MYS(マイス)代表
1982年北海道生まれ。北海学園大学法学部卒業後上京し、資格試験予備校、不動産会社、建築会社を経てFP事務所MYS(マイス)設立、代表に就任。雑誌寄稿、WEBコラムを中心とした執筆活動、個人コンサルを幅広く手掛ける。ファイナンシャルプランナー。