相続・贈与にとってもマイナンバーは他人事ではない!

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本格運用を目前に控えたマイナンバー制度。対象となっている、住民票を持つ方には既に12桁の番号が送られ、個人番号カードの発行申請も可能になっています。このマイナンバー制度は、今後3年を目安に下記のことができる予定です。

(1)社会保障分野…年金、児童手当、生活保護、医療保険の給付など
(2)税務関係分野…確定申告の手続きなど
(3)災害対策分野…災害に遭ったときに支給される被災者生活再建支援金の支給など

1,相続・贈与はマイナンバーでどうなるのか

マイナンバーは当面のところ、上記の「社会保障・税・災害対策」の分野が先行して導入を進められると言われています。2017年にマイナンバーカードが健康保険証としても利用できるようになり、確定申告時の医療費控除の手続きが大幅に削減されると話題になりました。ただ、当記事の執筆時(2015年12月30日)に健康保険番号の流出が報じられるなどセキュリティに脆弱さが見受けられるため、導入時期は不透明な状況です。

では、とても手続きが複雑な相続分野、贈与の分野でマイナンバーが活用することはあるのでしょうか。

現在のところ、相続・贈与分野にマイナンバーが導入されるのは、早くても2017年のマイナポータル導入後と思われます。ただ、こちらも個人情報の流出が課題となっていますが、マイナンバーは「公的年金の各種手続きへの導入」が目下の目標と言われています。公的年金にマイナンバーが導入されると、遺族年金や寡婦年金などで手続きが必要になるため、相続・分野部門の導入の進むのでは、と見通されています。実際に、一部のマイナンバーの関連書籍には、マイナンバー導入が予定されていることとして、「遺産相続」という言葉が載っているほどです。

2、マイナンバーが導入されると相続贈与はこう変わる!

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では、マイナンバーの導入によって、相続贈与分野はどのような変化があるのでしょうか。最大のポイントは、煩雑な手続きの「簡素化」です。

(1)相続資産の迅速な把握

いずれ、マイナンバーは銀行預金と連携すると言われています。マイナンバーの目的のひとつである「税金の確実な徴取」のためには現預金だけではなおも不足。不動産の購入、証券など金融資産の購入時にマイナンバーのやり取りが必須になるでしょう。このことが進むと、すぐに判明するのが「個人の資産額」です。この額をもとに相続手続きが行われるようになると、現在のように資産額を算出する作業は大幅に簡素化するものと思われます。

(2)相続と贈与との綿密な連携

現在、相続の前に様々な特例を利用して次世代に資産を渡す、「生前贈与」が注目されています。マイナンバーの導入で贈与の各段階で手続きと個人番号を繋げることにより、現在は別手続きの相続と生前贈与が連携することが見込まれています。相続人が事前に資産を受け取る「特別受益」についても同様です。相続、となった時に、その時点まで動いていた様々な資産移動がまとめられ、迅速に相続手続きが進むことが期待されています。

3、まとめ

現段階は、マイナンバー制度の導入により「事務手続きが煩雑になる」や「個人情報管理は問題ないのか」という視点でばかり語られますが、マイナンバーの本格導入は現在、人海戦術で拾っている情報を繋げ、様々な動きを簡素化するものです。特に相続・贈与分野においては、積極的な導入が期待されています。まさに相続や贈与においての「IT革命」が、このマイナンバー制度導入によってもたらされていくのかもしれません。