現時点における相続時リフォームの位置付け

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相続対策にリフォームを行うことは果たして有効かどうか?

相続税を少しでも安くしたいと考えた時に、行き着く1つの手段がリフォームではないでしょうか?
相続対策としてリフォームを考えている方は、なぜリフォームが相続税の節税に繋がるのか?果たしてリフォームをすることは、本当に相続税対策に有効なのか?を見ていきましょう。

相続税対策にリフォームが有効と主張される主な理由

リフォームをすると相続税の節税に繋がる理由は以下の様に説明されます。
通常、現金で所有している財産を相続すると、その現金の価値(時価)全てが相続税の課税対象となってしまいます。しかし、この現金を生前の内にリフォーム資金に充てていたらどうなるでしょうか?リフォームされた建物の価値は上がり、自宅であればリフォーム前よりも快適に過ごせるでしょう。リフォームにより手元から現金がなくなるため、その分相続税は節税されることになります。
また、相続税の計算上、建物の評価額は固定資産税評価額であるため、リフォームをしていようがしていなかろうが評価額に変更がなかったため、現金で相続をしてからリフォームをするのと、生前にリフォームをしておいて相続をするのでは、相続税の納税額に差が生じていたのです。

現在の相続に関連するリフォームの位置付け

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リフォームによる相続税の節税が流行りだして以降、国税庁も対策を打ってきました。以前から、建物の主要部を改築する大規模リフォームや床面積を増やす様な増築に関しては、その影響度合いによって固定資産税評価額が上がることはありました。しかしながら、上り幅は工事に要した費用がそのまま上がるわけではなく、結果としてリフォームをした方が節税になる計算になっていました。
そこで、平成25年11月に新たに質疑応答事例が公表されました。その内容は、リフォームに要した費用も勘案して相続財産とするというものです。具体的には、リフォーム費用から償却費相当額を差し引いた価額の70%相当額に当たる部分が評価額となります。今まで、リフォームに関する国税庁の見解は示されていなかったため、相続税の節税にリフォームが有効とされていましたが、この公表により必ずしもリフォームが有効ではないのではないかという疑念が持たれ始めました。
リフォームにかかった費用が全額相続税の課税対象となる金額から除外されていたことを考えると、70%相当額が相続財産に上乗せされてしまうことになってしまったため、これまでの様な相続税の大幅な節税効果が薄れてしまったのです。

それでもリフォームは使える手法

リフォーム資金の全額が相続財産から除外されるわけではないとはいえ、必要なリフォームはしておくに越したことはありません。先述した通り、現金で相続をした後でリフォームをするよりは、リフォームをしておいて相続をする方が、評価額を30%分減額することができるため、キャッシュアウトの合計は少なくすることができるからです。
相続税の節税目的で行うリフォームは使い勝手が悪くなってしまいましたが、暮らしを支える上でリフォームを考えている人は、リフォームを行っておけば相続税も安くすることができるため一石二鳥となるでしょう。

まとめ

当局は課税の公平性を掲げているため、あまりにも納税者有利になる様な事案があれば、それに対策を打ち出すことになります。相続に関していえば、時価と評価額の乖離が大きすぎる事柄に対して必ず対策案を講じるため、常日頃法改正にはアンテナを立てておくべきでしょう。相続税の節税を考えている方は、以前まで使えていた方法だから自分も使おうと安易に考えず、現時点における最も有利で利用価値のある方法を選択していく必要があります。