来年には通用しないかも、相続税対策に危ない不動産の使い方

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2015年11月、国税庁はタワーマンションを使った相続税対策、いわゆる「タワーマンション節税」について勧告を出しました。今後、行き過ぎた節税には追徴課税をする趣旨です。これを受け、直後にタワーマンション施工に実績のあった大手ゼネコンの株価が急落するなどの影響が見られ、大きな話題となりました。

数年前には大きく持てはやされた「タワーマンション節税」ですが、現在は相続税対策としては危ない不動産の使い方としての共通認識もあります。来年にはなんと、まったく通用しないようになっているかもしれません。

1、タワーマンション節税のスキーム

一般的なマンションに比べて階数が多く、比例して部屋数も多いという特徴を持つタワーマンション。持ち分割合を配分する部屋数も多くなるため、「一般的なマンションに比べて」、評価額が低く抑えられる傾向があります。

一方でタワーマンションを売買する際の売却価格においては、「高層階ほど高い値がつく」という特徴があります。景色も良く、花火大会も見える…誰しも憧れる「資産家の特徴」です。一方で相続税評価額は高層階の部屋も低層階も変わりません。

これを踏まえたタワマン節税とは、「相続発生前にタワーマンションの高層階を購入すること」です。ただし継続的に所有するのではなく、購入してお子様など法定相続人に相続したのち、お子様は売却。そのまま相続税課税対象となる現金を相続した時に比べ、相続税を大幅に抑制することができます。高層階の売買ほど、効果が高いといえるでしょう。

2、タワーマンション節税自体は違法ではない

この方法は相続税評価額の特徴を掴んだひとつの「節税方法」です。決して、この方法自体に違法性のあるものではありません。ただ、国税庁が指摘したのには、2つの理由があります。

(1)利用できるのは富裕層だけ!

タワマン節税は高層階を購入するため、購入資金のある「富裕層だけ」が活用できます。相続税は2015年1月の相続税法改正も後追いとなり、「公平な税負担を欠く」として、追徴課税の勧告があったと考えられています。

(2)相続直後の売却

相続直後の売却はもちろん咎められるものではないのですが、雑誌などでは今回「タワマン節税に注目」という話で出回り、購入後居住実績もなく、相続を迎え売却するという「財テク」の面が強調されました。数年前から雑誌でも、「タワマン節税に注目」という言葉が躍りました。現在の住まいを上手に使った節税、という面ではなく、あくまで節税対策の「税金逃れ」として印象付けてしまったのですね。

3、タワーマンション節税は、これからどうなるのか。

国税庁は、今後の流れをどのように考えているのでしょうか。2015年11月3日付けの日本経済新聞によると、国税庁は「行き過ぎた節税策と判断されれば、今後は相続税が追徴課税される」と伝えています。相続の直前に被相続人によって購入され、相続後短期間で売却されたタワーマンションの一室というケースには、「行き過ぎた節税」として追徴課税が示されることになりそうです。

売れ行きについては記事の頭にて説明した通り、まだ統計できていないところがあります。ただ今回の勧告によって、節税のみを目的としたタワーマンションの購入は一時的に下火になると思われます。ただ、この様子見状態はしばらく続くでしょう。マンション価格が高騰し、需要が高まっている昨今の状況をも踏まえ、注視していくことが大切ですね。