数万円の費用で済むなら、確実な遺言書を残したい

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年齢を重ね、そろそろ自身が亡くなった後の資産について考えている、という方。残される家族のことを考えると、下手に議論の余地をもたせて揉めたらどうしよう、と心配される方もいらっしゃるでしょう。

遺言を残そうとする時、主に使われているのは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類です。このうち、「公正証書遺言」の方が、安全で確実であると言われています。今回はその、「公正証書遺言」についてご紹介していきます。

1、遺言書の種類

(1)普通方式
 自筆証書遺言:全て自筆で作成。自身のみで作成が可能。
 公正証書遺言:「公証人」が公証役場にて作成
 秘密証書遺言:内容を秘密にしたまま、存在だけを証明してもらう遺言。  

(2)特別方式
 病気等で死期が迫っていたり、死の可能性がある場合に残す遺言。
 一般臨終遺言のほか、船舶遭難者遺言、伝染病隔絶者遺言など特別な場合の遺言。

2、公正証書遺言の特徴

(1)作成費用が発生する
発生する費用は、相続額や相続人数によって変わってきます。
証書作成の基本手数料目処は以下のようになっています。
これらは相続人一人当たりに発生するため、例えば妻に3,000万円、子に1,500万円を相続する場合には、妻と子夫々に23,000円かかるので、合計46,000円となります。
   

相続額 費用
100万円以下 5,000円
100万円超200万円以下 7,000円
200万円超500万円以下 11,000円
500万円超1,000万円以下 17,000円
1,000万円超3,000万円以下 23,000円
3,000万円超5,000万円以下 29,000円
5,000万円超1億円以下 43,000円

その他の費用や詳細については、日本公証人連合会のHPからご確認いただけます。
http://www.koshonin.gr.jp/hi.html

(2)証人が必要
自筆証書遺言の場合、自身が好きな時に誰にも相談せずとも作成できるという気軽さがメリットの一つです。

一方で公正証書遺言の場合は、作成時に証人2名の立会いが必須となっています。
これは民法で決められており、未成年や相続人は証人になることができません。
自身で証人を探せなかった場合は、役場からの紹介を受けたり、行政書士などに依頼することもできます。

(3)遺言の存在や遺産内容が知られる
自筆証書遺言の場合は、その内容についても全て自分のみが知りうる状態にしておくことができます。

一方、公正証書遺言の場合は、公証人にその内容を全て共有する必要があります。証人に対しては「誰へ全額相続する」などの記載とすれば、その額までが知れることはありません。
あまりにも多額の財産を保有し、誰かに狙われるのでは等の懸念があるなどの場合は、自筆証書遺言の方が適するかもしれません。

3、まとめ

全て秘密裏に、手軽に作成できる自筆証書遺言は便利ですが、一方で確実に実行されるか不安な方も多いでしょう。ただ費用はかかりますが、遺言を残すことを家族にも周知している場合には、公正証書遺言の作成も一つの手段です。少し費用は嵩むけれど、「確実な遺言書を遺したい」という場合は、公正証書遺言を検討するとよいでしょう。

ただ、自筆証書遺言も書き方においていくつかのルールがあります。自筆証書遺言を作成する場合も、専門家に確認するようにしましょう。特に遺言は最近、インターネットなどで情報が溢れ、「誰でも書けるのではないか」というイメージを持ちがち。ですが不十分な自筆証書遺言は、それこそ「争族」のきっかけともなります。注意したいポイントですね。