タワーマンション節税ができなくなる?- 相続評価額と売却価格

33df0e3846d08a6cbead857125d74284_s

2015年11月、国税庁はタワーマンションを使った相続税対策、いわゆる「タワーマンション節税」について、行き過ぎた節税には追徴課税をする指示を出していたことがわかりました。これを受け、関連不動産銘柄が大きく値を下げるなど、影響力が広がりました。

この「タワマン節税」。言葉は聞いたことがあるけれど…という方も多いでしょう。どのようなスキーム(構造)になっているのでしょうか。この解説には、①不動産を相続時どのように評価するのか、②市場売却価格の付け方、の2点をおさえる必要があります。

1、 タワーマンションの相続

ここに1億円があったとします。5年後に現在の所有者Aさんが亡くなると仮定します。その時、現在の1億円は5年後も1億円です(便宜上、運用益やインフレの概念は除きます)。一方、その1億円でタワーマンションの一室を購入したとします。

たとえば江東区の豊洲。次々と街が発展して、不動産の値段も上がっている地区です。1億円で買ったマンションの一室は、5年後1億円以上の値打ちがついています。このAさん一家。5年後に相続したお子様Bさんは既に自宅を持っていて、家族と協議した結果、不必要なタワーマンションの売却をすることにしました。この場合、売却価格は1億円以上がつくと思われます。

不動産の相続評価額とは?

一方、この売却価格と、「相続時の不動産の資産価値算出方法」は全くの別物です。不動産の相続時の資産価値を「不動産の相続評価額」といいます(以下、評価額)。この評価額を算出する方法を確認しましょう。

評価額の算出方法 = 敷地全体の評価額(①)×所有している部屋の持ち分割合(②)

まずマンションの敷地全体の評価額(①)を算出し、そのうちAさんが所有していた割合(②)はどれくらいかを算出します。たとえば豊洲のマンションが全100室、全体で150億円の場合。

150億円×1/150=約1億5,000万円となります。
この1億5,000万円が、Aさんの部屋の評価額です。
※計算式の数字は実際の評価額相場値を参考にしたものではありません。

タワーマンションの「部屋数が多い」という特徴

このタワーマンション、一般的なマンションに比べて階数が多く、比例して部屋数も多いという特徴があります。よって持ち分割合を配分する部屋数も多くなるため、「一般的なマンションに比べて」、評価額が低く抑えられる特徴があります。
ここまでを踏まえて、相続評価額を一度離れましょう。
次に、売却価格の算出方法を見てみます。

2、 タワーマンションの売却

a4a1bdd1d2df1f1161ee8021c7fcfd6e_s

タワーマンションに限らず、不動産の売却価格を算出する方法は簡単です。それは、「買い手の見つかる価格で、かつ最も高い価格」です。不動産の売却は売り手が1円でも高い売却益を得ることが目的ですが、買い手がつかなければ全く意味がないからです。

そのうえで、タワーマンションは「高層階ほど高い値がつきやすい」という特徴があります。
景色も良く、花火大会も見える…誰しも憧れる「資産家の特徴」です。この「高層階ほど…」が今回の、最大のポイントになります。しっかり覚えておいてくださいね。

3、 階数が高いと、売却価格が高くなるが評価額は変わらない!?

ここまでを一度まとめましょう。評価額は部屋数の按分のため1階も最上階も変わりませんが、売却価格は大きく異なります。この違いを活用したのが、今回問題になった「タワーマンション節税」です。次回の記事では、今回の基本ルールを踏まえたうえでの節税方法、及び国税庁指示までの流行はどのようなものだったのか、を見てみましょう。